「「うつ」かもしれない~死に至る病とどう闘うか~」を読んで


「うつなんて自分がなるわけがない。気持ちや体が弱い人がなるものだ」
そう考えている人は多いのではないでしょうか。

実際に、僕もかつてはその1人でした。
運動は高校まで空手とサッカーをやっており、ずっと男の勝負の世界で生きてきましたから、その過程で鍛えられた体力や精神力にはある程度の自信があったし、自分がなるはずがないと思っていた。

しかし僕は今年の夏に、軽いうつ状態になりました。
本来は声高にいうことでも無いかもしれないのですが、どうしても伝えたいことがあるので、その経験をもとにちょこっと書きたいと思います。

◯うつ病とは

うつ病とは、「脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴う」ものとされています。(引用・厚生労働省:http://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/002.html)

 

 

◯どのような症状が起きるのか

いわゆる、抑うつ状態と呼ばれる症状としては
・興味や歓びの消失
・食欲の減退または増加
・睡眠障害(早期覚醒)
・精神運動の障害(強い焦燥感・運動の制止)
・疲れやすさ・気力の減退
・強い罪悪感(思考パターンが極端になり自分の罪悪感に苦しむ)
・思考力や集中力の低下(自覚があり言いようのない焦りや悲しみを感じる)
・死への思い
などが挙げられます。

僕の場合はまだ症状が軽かったので死にたいとまで思うことは無かったのですが、列挙されている残りの症状は経験しました。

 

 

◯一番辛かったこと

うつの期間の状態は、まさに上に挙げられている症状の通りです。
僕の場合は、日常生活で何に対してもも興味関心がなくなり、食事は喉を通らず(5キロ近く痩せました)、不健康な遅寝早起きが続き、常に何かに対して焦りを抱き、罪悪感をずっと感じていました。

それだけでもそこそこ大変だったのですが、その期間で僕が一番辛かったのは「周囲の理解が得られない」ということでした。この本の著書によると、どのうつ患者もこのことに苦しんでいるようです。

 

 

◯理解が得られないことの辛さ

なぜ、周囲の理解を得ることが難しいのか。

端的に言うと、誰もが経験のあることではないために「辛さ・苦しみを同じ基準で共有できない」からです。
いわゆる風邪であればほとんどの人が経験したことがあるために「38℃もあるんだ。大変そうだな。」と人々に一定の理解を得られます。しかし反対に、うつの原因となっていると考えられている精神面の問題については、そもそもの経験則が異なるために感じ方にとても個人差があり、誰もに理解されるということは非常に困難なのです。

はたから見れば「一時的にモチベーションが下がってるだけでしょ。うつなんて大げさに言っちゃって。怠けてるだけでしょ。」という風に見られがちです。

これは仕方のない事ですが、ここには当事者と第三者との認識の大きな隔たりがあります。

もちろん自分がうつであることは信じられないし認めたくないので、「こんなとこで怠けてる場合じゃない。しっかりしないと。」という風に自分を叱咤し奮い立たせようとはしています。していますが、体は思うように動きません。
頭ではわかっているのに体が言うことを聞かない状態が続くと、仕事を溜めている状況だとどんどん罪悪感が積もる、けれどできない、罪悪感、できない、罪悪感、、、の無限ループに陥ってしまいます。

そんな時に、自分の内面を見てもらえずに「いつまで怠けてるの?」なんて言われた時には、涙が出るほど情けなくなり、自分を完全否定し、自分の存在価値さえ疑うようになるのです。

この本の中には、このような仮定を経て自ら命を断ってしまった人の事例も載っていました。
そういった人達も存在するということは、「うつ」とは「命に関わる重大な病気」と言えるでしょう。

 

◯伝えたいこと

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「弱くても、逃げまわってもいい。1人ひとりに価値が会って、それはとても素晴らしいこと。自分らしくできない世界になんて意味はないから、自分のペースを取り戻すまでゆっくりやすんだらいい。」

これは、僕の先輩が掛けてくださった言葉です。
すっかり弱り切って、何もかもダメだと思って、全てを投げ出して逃げるように実家へ帰るときにもらったこの言葉には、本当に救われました。

もし、いま、自分のそばに心が弱っているように感じられる人がいたら、そっと優しい言葉をかけてあげて下さい。
たとえその人が出来の悪い後輩でも、尊敬している先輩でも、あまり関わりのない他人でも、誰でもいいんです。

心が弱っている人は、今の自分を誰かに理解して欲しくてたまらないんですよ。
別にアドバイスを求めているわけでも、頑張れと言ってもらいたいわけでもない。「分かって欲しい、理解して欲しい。」それしか無いんです。その人はうまく言語化出来ないかもしれませんが、それでも、そっと耳を傾けてあげて下さい。

他人が弱っている時は、決して自分自身のものさしで程度を測ってはいけません。
人によってモノの感じ方は違います。自分の感覚の押し付けが、他者にとっての苦しみとなります。

変に当事者意識を持ち感情移入する必要はなくて、無理に話を聞き出そうとしなくてもいい。
ただ、相手の状態を受け容れてあげること、理解しようとしてあげることが相手にとって最も重要で最も救いになります。

◯最後に

「うつ」とは決して珍しい病気でもなんでもなく、全ての人がなりうる病気です。
そして、それは時に命に関わる病気です。

日本には現在、100万人以上の人がうつと診断され苦しんでいます。
症状が目に見えないからこそ、人の内面にいつも以上に寄り添ってあげて下さい。

稚拙な文章で完全に想いを伝えることが出来ず悔しいです。
しかしどうか、この想いが伝わりますように。

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